フランスの高級ブランドとして有名な「エルメス」が、今年3月にアメリカで集団訴訟を起こされています。
今回は、この訴訟についてまとめました。
エルメスはなぜ訴えられている?
結論から言うと、エルメスの人気バッグ「バーキン(とケリー)」が入手できないため、消費者がアメリカの裁判所に集団訴訟を起こしました。
訴えた原告(消費者側)は、以下の主張をしています。
他の革製品(靴、ベルト)やスカーフなど、他の商品を購入しないとバーキン(とケリー)を販売してもらうことはできないとして、これは独占禁止法が禁止している「抱き合わせ販売」にあたる
他の商品購入の実績があり「価値ある顧客」と判断された消費者だけが別室に案内されバーキン(とケリー)の購入が可能となるため、「不公正な販売」にあたる
この主張の根拠となっているのが販売員のインセンティブ(歩合)制度です。
販売員はバーキン(とケリー)を売ってもインセンティブがえられないのですが、他の商品を販売すると1.5〜3%のインセンティブが得られるため、この制度が、消費者側に他の商品の購入を強いているとのことです。
エルメスの反論は?
エルメスは5月に裁判所への提出資料で以下のように主張しています。
エルメスはバーキン(とケリー)を購入するために他の商品の購入を要求していない。仮にしていたとしても独占禁止法に違反しない。
エルメスの「バーキン」とは?どうやって生まれた?
バーキンは職人が手作業で製作する革製の鞄で、小さいモデルでも100万円を超えるため、所有することは富裕層のステータスとなっています。
バーキンの始まりは1984年、パリとロンドンを結ぶ飛行機の中。
イギリス人女優ジェーン・バーキンが機内でエルメスの会長(1978年~2006年)ジャン=ルイ・デュマと隣り合わせになりました。
とあるきっかけで、彼女は母親になったばかりの自分のニーズを満たすバッグがないことを話しました。
するとデュマはすぐさま、アスティカージュによる縁仕上げのフラップとサドルステッチが施された、しなやかで収納力(哺乳瓶のためのスペースも)があり長方形のフォルムの特別なバッグをスケッチしました。
これがバーキンのアイデアが誕生した瞬間でした。
1年後にデュマは彼女の名を冠した35cmのオリジナル・バーキンを贈ったそうです。
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